円図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 10:10 UTC 版)
明の来知徳(号は瞿唐、1525年-1604年)が作った太極図で円図とも呼ばれる。円環状に描かれ、内円中の空洞が太極を表し、円環内の黒白の色が陰陽両儀を表す。円環内を上下に貫く黒白の2線は、陰が極まれば陽が生じ、陽が極まれば陰が生じることを表し、円環全体で気が生生して息まず、永遠に循環することを示している。古太極図を研究して作ったといわれるが、古太極図で気が外側から生じ内側へ向かって広がっていくのに対し、この太極図では内円の太極から気が生じ外側へ向かって広がっていく。 来知徳はこの図が聖人(伏羲・文王)が『易』を作った原理を表し、理気象数、陰陽老少、往来進退、常変吉凶、すべてこの内に備えられているとし、この図を使って様々な事象を説明した。例えば、「伏羲八卦太極図」では円環内の角笛状の4つの領域を太陽・少陰・少陽・太陰の四象に当て、外円の外側に伏羲先天八卦を配すことで「太極-両儀-四象-八卦」(繋辞上伝)の生成論を表した。また「文王八卦太極図」では外側に八卦を文王後天八卦方位に配し、黒線を陽中に陰がある離、白線を陰中に陽がある坎とし、「帝、震より出ず」(説卦伝)といった東に配された震から始まる東西南北、春夏秋冬の循環、およびその属性である木火土金水の五行相生を表した。その他に十二時辰や二十四節気を円外に配して一日気象の明暗を説明する図や一年気象の寒暑を説明する図なども作られた。
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