内文法(暗示的能力)の獲得
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 15:28 UTC 版)
「神経言語学的アプローチ」の記事における「内文法(暗示的能力)の獲得」の解説
生徒の暗示的能力を養う、つまり手続き記憶の中にニューロン結合を発達させるためには、限られた数の言語パターンを何度も繰り返し使わせる必要がある。そのような環境を授業で実現するため、ANLでは学習ユニットごとに、コミュニケーション機能を三つないし四つに絞って盛り込んでいる。それらの機能は互いに関連しており、ユニット全体のテーマとも結びつくものとする。まずはコミュニケーション機能を一つ一つ取り上げ、それをいくつかの異なる状況の中で使って、生徒同士で実際に自分のことについて短い会話を行わせる。 そして最後にそれらの機能を組み合わせて、そのテーマについてより複雑な議論を行わせるのである。こうすることにより、実際の状況に結びついた形で話し言葉を習得することが可能になる。実は言葉というものは、それが使われる具体的な状況の中で習得してはじめて、それとは異なる状況の中でも使いこなせるようになるのであり、文脈から切り離してただ闇雲に暗記しても実際には役に立たないということが、認知神経科学におけるセガロヴィッツの最近の研究、特に「適切転移の原理(PTA)」によって確かめられている(Segalowitz, 2010)。
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