八界説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 04:11 UTC 版)
五界説における原生生物というくくりは、植物、菌、動物ではない「その他」的なくくりであって、分類群としては非常に雑多であるという面がある。これに手をつけたのが、キャバリエ=スミス (1987) である。彼は、原生生物界をクロミスタ界、アーケゾア界、原生動物界に3分し、八界説を提唱した。クロミスタ界はワカメなどの褐藻植物を含む黄色植物やハプト藻類、クリプト藻類などの藻類および、それらと近縁だが2次的に葉緑体を失った(とキャヴァリエ=スミスが考えた)生物である。アーケゾア界はミトコンドリアを持たない生物である。原生動物界は動物的単細胞由来のもののうち胚分割しない生物である。 この場合、真核生物は、動物界・菌界・原生動物界の3つの従属栄養生物群と、植物界(紅藻を含む)とクロミスタ界の2つの独立栄養生物群に分けられる。ただし、クロミスタ界には卵菌類やラビリンチュラのような従属栄養の生物群が含まれる。これらに加え、古細菌・真正細菌の2つの原核生物の界がある。しかし、この分類は一部の専門家以外には広く使われなかった。キャヴァリエ=スミスが仮定した進化史が必ずしも正しくなく、アーケゾア、クロミスタ、原生動物の単系統性が疑わしかったためである。実際、アーケゾアと原生動物は単系統ではなかった(クロミスタについては現在[いつ?]も結論は出ていない)。 生物 原核生物 真正細菌界 古細菌界 真核生物 クロミスタ界 アーケゾア界 原生動物界 菌界 植物界 動物界
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