八卦掌の達人、李剣華と
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/02 14:54 UTC 版)
ある時、北京で散手の大会が著名な武術家である許禹生の主宰で行われることとなり、許禹生は陳発科に主審を依頼した。しかし陳発科は「自分には太極拳のことしかわからない」として辞退し、許禹生のたっての願いで大会顧問に就任することとなった。 大会当日、一試合あたりの制限時間(1ラウンド)を何分にするかという問題で議論が起こり、当初15分とされていた時間に対して、陳発科は参加者が多いので長すぎるという発言を行った。 では何分が適当かという問いに対し、陳発科は3分という時間を提案した。多くの参加者が短すぎると感じ「あなたは3分で確実に勝負を決められるのか?」と質問した。それに対し陳発科は「私なら、3秒もあれば十分だ」と答えた。 それを聞いた李剣華(八卦掌の達人。劉鳳春の弟子。東北大学武術教師を勤めていた。身長180cm以上、体重100kg以上という巨漢で、実戦派の名手として有名であった)は侮られたと思い「そんなことが出来るものか」と立ち上がり、私とやってみようではないか、と挑戦した。 陳発科は笑顔で応じ、雷台(リング)に上がると李剣華にかかってくるよう促した。 李剣華は突進し、陳発科の前襟を取って投げようとしたが、陳発科はほんの少し身をかわし、右手を李剣華にあてがうと全身を震わせ発力を行った。李剣華の巨体は30cmも浮き上がり、1m近くも吹き飛ばされて転がり、壁にぶつかってようやく止まった。その衝撃で壁に掛けてあった物などが落ちてきたという。 李剣華は感服し、その場で陳発科に弟子入りを懇願し許された。この様子は全場の賞賛を浴び、陳発科の名声を一層高いものにした。
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