儀式を起源とする説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 05:02 UTC 版)
自然派の仮説は、ジェームズ・フレイザーとジェーン・エレン・ハリソン (en:Jane Ellen Harrison)、及び彼らを継いだケンブリッジの宗教研究家らの研究によって更なる高みに達した。彼らの『金枝篇』及び『ギリシア宗教研究に対するプロレゴメナ』は後世に大きな影響力を残した。フレイザーとハリソンはいう。神話から儀式が生まれるのではなく、儀式を説明するものとして神話が生まれた。即ち、全ての神話は信仰を反映したものに過ぎない。全ての信仰にはそれぞれ、共感呪術 (en:Sympathetic magic) によって自然現象を操作するという原初の目的がある。(彼等のいう)蛮族は、人間は大なり小なり自然界に超自然的な方法で影響を与えることができると信じていた。そのための方法の一つが、自らが望む自然現象を模倣することである。ペルセポネの強姦と帰還、オシリスの損傷と修復、バルドルの辛苦と勝利という神話は全て、衰えた大地と作物が再び肥沃な状態へと生まれ変わることを願う原始的な儀式から生まれたものであろう。 しかし現在では、神話と儀式の関係には普遍的な判断をつけずそれぞれの民族ごとに判断すべきという意見で一致している。儀式が先行し後に神話が作られたというフレイザーらの説を立証する証拠はほとんど見つからず、逆にアメリカインディアンのゴースト・ダンスの例のように神話が先行して存在し、儀式は神話の補強として発達する例が多い。
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