傅膏機密の構成(洗礼式の後半部として)
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現在の正教会では、傅膏機密は洗礼式の後半部に行われる。二つの機密を含む全体が、奉神礼としての洗礼式をなしているのである。以下、傅膏機密とそれに続く式次第を示す。 傅膏機密では聖膏が塗られる。この聖膏は、各国地域の正教会の中でも「独立正教会(アフトケファリア)」と認められる教会に於いて、首座主教が調製するものであり、聖神を伝えるものとされている。聖神が伝えられて、啓蒙者は光照者(こうしょうしゃ)となる。もちろん「上よりの東」(降誕祭トロパリ)であるハリストスが照らすのである。 初代教会では大斎の時期を啓蒙者の教育に充て、洗礼は復活大祭に合わせて行なわれていたようである。復活節ではヨハネ福音書と使徒行伝が読まれるが、これはハリストスの奥義と初代教会の歩みを、新たに信者となったものに教えるカリキュラムの役割を果していた。そしてこの傅膏機密までを行なった後、洗礼着を着たままで光明週間をすごし、その後に次の「滌浄」を行なった。 滌浄(できじょう)では、付けられたままになっていた「喜びの油」を海絨(ヒソプ)を以って拭う。「新たな人」への生まれ変わりが完了し、信徒としての歩みを始める。 剪髪式(せんぱつしき)では、その信徒としてのはじめての捧げ物、捧物の初穂として、頭の毛を少し切り取る。 ここまでの洗礼機密と傅膏機密が一体となった洗礼式は聖体礼儀の前に行われ、聖体礼儀において新受洗者は必ず領聖(聖体尊血を領食すること)する。この領聖をした時点で洗礼が完了するという見解が伝統的である。但し、緊急時に行う摂行洗礼の場合は傅膏機密は行われず、領聖も直後には行われない。
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