偶数次元における O(n) と SO(n) の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/12 19:31 UTC 版)
「直交群」の記事における「偶数次元における O(n) と SO(n) の違い」の解説
2次元空間で、O(2) は原点周りのすべての回転および、原点を通る直線によるすべての鏡映変換からなる群である。一方、SO(2) は原点周りのすべての回転からなる群である。 これらの群は密接に関連していて、SO(2) は O(2) の部分群である。なぜなら、二つの鏡映変換の合成は回転変換を与えるからである。 一般の次元で考えると、偶数回の鏡映変換は回転変換を与え、回転の後鏡映する操作、およびその逆は、一つの鏡映変換を与える。よって、回転操作は O(2) の部分空間となるが、鏡映変換のみの部分集合は部分群をなさないことがわかる。 「原点を中心とした鏡映変換」は、それぞれの座標軸に対して、一回ずつ鏡映することによって生成できる。この「原点中心の鏡映」は偶数次元においては通常の意味での鏡映ではなく、むしろ回転である。2次元では、2回適用すると恒等変換になるような唯一の非自明な回転である。一般次元において、この変換は逆変換が自分自身と一致する。4次元においてこれはisoclinic(等斜同型)であり、この分類が一般次元に拡張されるとしたら、すべての偶数次元においてそれは isoclinic であるといえる。
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