個人の失敗ではなくシステムの問題に焦点を当てる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/06 01:39 UTC 版)
「ビジョン・ゼロ」の記事における「個人の失敗ではなくシステムの問題に焦点を当てる」の解説
従来の交通安全策は人に行動を変えさせることに力を注いでいたが、ビジョン・ゼロは人が間違いを犯すことを所与の条件とした上で、人をシステムに適合させるのではなく、システムを人に合わせて作り変えることを提唱している。 ビジョン・ゼロは事故の責任についても従来とは異なる見方を掲げている。既存の道路交通システムは、事故を起こさないような振る舞いを道路利用者に義務付ける包括規定を有しているため、原理上、事故の責任はルールを破った利用者がほぼ全面的に負わされるが、ビジョン・ゼロは責任はシステム設計者と道路利用者で分担するものであるとして、次の3原則を掲げている: システム設計者は、道路交通システムの構造、運用、使用、すなわちシステム全体の安全水準について常に最終的な責任を負う。 道路利用者はシステム設計者が定めた道路交通システムの利用ルールに従う義務を負う。 道路利用者が知識不足、受容不足、能力不足などの理由でルールを守れなかった場合や、現に負傷事故が発生した場合、システム設計者は人が死亡したり重傷を負わないよう、さらなる対策を打つことが求められる。
※この「個人の失敗ではなくシステムの問題に焦点を当てる」の解説は、「ビジョン・ゼロ」の解説の一部です。
「個人の失敗ではなくシステムの問題に焦点を当てる」を含む「ビジョン・ゼロ」の記事については、「ビジョン・ゼロ」の概要を参照ください。
- 個人の失敗ではなくシステムの問題に焦点を当てるのページへのリンク