個人の愛好家・過剰多頭飼育者(アニマルホーダー)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 19:56 UTC 版)
「多頭飼育崩壊」の記事における「個人の愛好家・過剰多頭飼育者(アニマルホーダー)」の解説
動物好きが高じ、避妊・去勢手術をしない場合、動物が繁殖を繰り返すことで次第に手に負えなくなり、悪臭や鳴き声で近隣からの苦情が出ることもある。実際に起こった例では、当人は私財を投じて動物の救済活動をしていたつもりであり、動物虐待状態であるとは認識していない場合や、逆に動物が増え過ぎたと認識して飼育を放棄、動物を置き去りにして転居していた事例もあった。また通常多頭を飼養出来ている場合であっても、大規模な自然災害や火災などの人災により突然、飼養不能になるリスクがある。環境省は予め飼い主が災害時の避難方法や場所を考えておくように呼び掛けている。自治体は同行避難を指導しているものの、突然の天災や人災にあってはそれも叶わず一瞬のうちに飼育崩壊・動物の死亡に至る場合もある。 「アニマルホーダー」とは、精神疾患(強迫的ホーディング、強迫性障害、依存症、収集癖)の一種で、自らの意思で動物を飼い始めたものの、適正飼育頭数を越えても動物を手放すことができない精神状態にあるもの。本人の治療と行政・ボランティアの介入なくしては回復することが困難である。また、アニマルホ―ダ―の70%~80%が生活区域にペットの糞尿、死骸などを放置したままにするため、公衆衛生上、深刻な問題となする場合が多い。アメリカ合衆国では1990年代より病理的な問題として、タフツ大学と動物愛護団体HSUS(The Humane Society of theUnited States)との共同研究が始まり、アニマルホ―ダ―に関する数多くのデータと問題解決に向けたマニュアルが公開されている。
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