修飾付ファイル名を用いた擬似的なディレクトリ(階層)構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/04 03:21 UTC 版)
「ACOS-4」の記事における「修飾付ファイル名を用いた擬似的なディレクトリ(階層)構造」の解説
ACOS-4には、修飾付ファイル名を構成する各単純識別名が、擬似的にディレクトリ名やファイル名になっているかのように振舞う機能が存在する。 この機能は、修飾付ファイル名を構成する各単純識別名を、カタログファイルと呼ばれる管理ファイルへ登録する事により動作させる事ができ、"."(ドット)文字を用いて最後尾に連結された単純識別名がファイル名、それ以外の単純識別名が連結された順番で上下関係を構成するディレクトリ名であるかのように振舞う。 この擬似的なディレクトリ(階層)構造を正しく機能させるには、ファイルの作成等に一定の規制を掛ける必要がある。なぜなら、ハードディスクごとに存在するVTOCと呼ばれる管理領域には、修飾付ファイル名を構成する先頭の単純識別名から最後尾の単純識別名までを含んだファイル名(これを完全修飾付ファイル名という)が記録されているからである。 ある利用者が所有(もしくは利用)許可を受けている擬似的なディレクトリ名の配下に、別の利用者が勝手にファイルを作成したり読み書きしたりできないよう、カタログファイルには、UNIXでいうパーミッション情報も同時に記録される仕組みとなっている。(カタログファイルによる管理を迂回しようと、操作したいハードディスクを明示してファイル作成等の操作を行なおうとしても、ファイル名を構成する単純識別名そのもので規制が掛かる) なお、初期のバッチ(一括処理)型システムでのみ使用されていた設置マシンにおいては、カタログファイルによる、擬似的なディレクトリ(階層)構造および所有(もしくは利用)許可を管理する機能が、未実装もしくは未稼働となっていた場合があった。 ネットワークへ接続して使用するのが当たり前になっている現在では、カタログファイル無しでの稼動は皆無と考えられる。ACOS-2へも、何らかの形で所有(もしくは利用)許可を管理する機能が実装されているものと思われる。
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