修復による再発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 03:45 UTC 版)
「モナ・リザ (プラド美術館)」の記事における「修復による再発見」の解説
絵画を展覧会で展示したいと考えていたルーヴル美術館の要請により、プラド美術館は2010年に修復作業を中止し、黒く変色したニスの除去を決定した。この修復により、レオナルド派の作品であることが明らかとなり、2012年1月にロンドンのナショナル・ギャラリーで開催された専門家会議で発表された。 マドリード版の分析と修復作業は背景として機能していた黒い塗り直しを除去し、ルーヴル美術館の『モナ・リザ』に描かれているものと同様のトスカーナ地方の表現を明らかにした。レオナルド・ダ・ヴィンチの作品はすでに大きな名声を享受していたため、1750年頃に 追加された黒い塗り直しが注目を集めている。おそらく、この塗り直しは装飾的な理由で、他の暗い背景の肖像画と一致させるためか、あるいは風景の特定の領域、つまりアッダ川(ロンバルディア地方を流れるポー川の支流)の領域が未完成だったために行われた(マドリード版の風景は、オリジナルの風景の中間状態に対応している)。 また、プラド美術館の『モナ・リザ』はオリジナルよりもはるかに保存状態が良いことが判明した。実際にルーヴル美術館の『モナ・リザ』は実際よりも年上に見えるのに対し、プラド美術館の『モナ・リザ』は20代のように見える。これは黒ずんだ顔料、黄ばんだニス、絵画のひび割れによって説明されている。しかし、作品の脆弱性を考えると修復を実行するにはリスクが伴うため、近い将来にオリジナルの『モナ・リザ』を修復することは困難とされている。専門家によると、この複製はオリジナルを取り巻く謎のいくつかを明らかにしている。
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