使用中止へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/01 01:25 UTC 版)
水銀は生物への強い毒性があり、環境に放出された場合には深刻な影響をもたらす。そのため環境への配慮から、1990年代より代替品の「水銀レス感震器」および「水銀レスチルトスイッチ」の供給が始まった。2010年代以降は代替品が普及したこともあり、生産を行なうメーカーはほとんど存在せず、一般の電子部品販売店などでの扱いはきわめてまれであり、店頭在庫のみの扱いとなっている。 日本では2017年の水銀に関する水俣条約の施行に伴い、経済産業大臣より特別に許可された用途を除いて、水銀スイッチの製造および輸出入が禁止されている。2020年現在、日本では感震装置、石油化学プラントの温度センサー、屋外用ガスファンヒーターのチルトセンサーなど特殊な環境での使用(主に産業用装置の保守用途)のみが許可されているが、これらも2020年末日より製造・輸出入が禁止されるとの通達が経済産業省より出されている。 かつて水銀スイッチを使用していた工業製品においても、排除の動きが見られる。例えば、アメリカの自動車産業では2002年に水銀を含有するスイッチの使用を中止したほか、アメリカ環境保護庁は2006年に「全国自動車用水銀スイッチ回収プログラム」 (National Vehicle Mercury Switch Recovery Program/NVMSRP) を公表し、既存の自動車からの回収をスクラップ業者などに働きかけている。 水銀と言う有害物質を含んでいながら、民生用機器のパーツとして1990年代まで大量に製造されたため、入手は容易である。インターネットオークションに出品されている場合もあり、2018年には加熱式たばこに水銀を仕込んで知人男性に吸わせることによる殺害をもくろんで逮捕された男が、インターネットオークションから水銀スイッチを購入していたことが判明している。
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