作風、批評
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/17 03:51 UTC 版)
同時期のロマン派の作家同様、メリメは異国への憧れや情熱への志向を抱いていた。しかし、彼らとは異なり、懐疑的かつ厭世的なメリメは作品の中で過剰な感情の露出を抑え、皮肉ともいえる客観的な著述を行っていた。そのため、文学史上においてメリメはロマン主義の作家としてよりも、早く生まれた写実主義者として見なされている。 批評家シャルル・デュボス(1882年 - 1939年)はメリメの「会話の中で消えて行ってしまうような実に取るに足りない言葉、ある種の良い意味での平凡さの筆写」における自然さを比類のないものであると評している。ヴィクトル・ユーゴーは詩集『竪琴の音をつくして』で、「小丘一つなく、芝もまばらな野原/私は彼方に見るのを喜ぶ/煙が立ち昇る一群の低い屋根屋根/メリメのように平凡な風景を」と引用した。
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