作品をめぐる議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 04:45 UTC 版)
「ローラ・インガルス・ワイルダー」の記事における「作品をめぐる議論」の解説
ローラの作品は世界各国で広く親しまれてきたが、2000年代に入るころから、とりわけ作品に描かれている家父長制への無批判な信奉や、保守的な政治観、アメリカ先住民への差別を当然視するようにも読める記述などが批判されるようになった。 またローラの作品では、一貫して白人の市民だけが自然を切りひらく主体として描かれるが、実際にはアメリカ領土の西部拡大はアメリカ先住民への熾烈な迫害や、黒人への激しい差別と表裏一体であり、それが作品ではほぼ無視されているとする批判が、とくにマイノリティの研究者から行われるようになった。 こうした議論を受け、2018年にアメリカ図書館協会は、上述の「ワイルダー賞」を「児童文学遺産賞」(Children's Literature Legacy Award)に改名すると発表した。 同協会は改名の理由を、児童文学を対象とする賞が「社会的な包摂と誠実さ、尊敬」に基づくべきだとする同協会の価値観を反映させる措置だと説明した上で、ローラの作品自体は今後も広く子どもに読まれる価値があると述べている。 一方で文学研究者の側からは、当時のアメリカ社会に存在した差別や迫害を子どもたちへ伝える題材として、ローラの作品は今なお有意義なメッセージをもつとする指摘も出されている。
※この「作品をめぐる議論」の解説は、「ローラ・インガルス・ワイルダー」の解説の一部です。
「作品をめぐる議論」を含む「ローラ・インガルス・ワイルダー」の記事については、「ローラ・インガルス・ワイルダー」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書から作品をめぐる議論を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書から作品をめぐる議論を検索
- 作品をめぐる議論のページへのリンク