低価格店の仕組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 08:10 UTC 版)
回転寿司の登場以前は、一般的な寿司店の客単価は最低5,000円前後であった。これに対し、一皿100円に設定されていることが多い回転寿司では、客単価が低くても座席数と回転数の大きさで利益を出すことが基本となる。 一般的な飲食店の原価率は30%程度であるが、寿司店ではウニやマグロでは一皿100円とすると80%前後の原価率となる。平均すると48%前後(スシローで48.3%)であり、これに通常、人件費や諸経費が50%以上必要であるため、原価率の高いネタだけでは採算が取れない。このため、回転寿司店では通常、原価率が20%以下といわれるツナマヨ、コーン、かっぱ巻き、タマゴなどのメニューや、10%の原価率の味噌汁などを置く。寿司店を名乗りながら寿司以外のメニューにも力を入れる理由としてはほかに、団体客の中に一定割合で含まれる生魚が苦手な客に対する配慮の面もある。2020年のマルハニチロの調査では、サイドメニューを2品以上頼む客は全体の6割を超えている。 こうした原価率の低いメニューをできるだけ多く客に提供するためにファミリー層をターゲットにしている。子供の好むポテトフライや唐揚げ、ラーメン、デザート類を豊富にし、これらの価格設定を寿司よりも高めに設定している。このため回転寿司店の立地は、自家用車で家族連れが来店できる郊外や新興住宅地が多い。さらに、シャリはロボットで握らせて加工済みのネタを載せるだけにすることで寿司職人を置かず、タッチパネルで注文を取り、人件費と廃棄ロスを削減するなどの工夫がなされている。
※この「低価格店の仕組み」の解説は、「回転寿司」の解説の一部です。
「低価格店の仕組み」を含む「回転寿司」の記事については、「回転寿司」の概要を参照ください。
- 低価格店の仕組みのページへのリンク