企業の売掛債権流動化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/02 13:59 UTC 版)
「ストラクチャード・ファイナンス」の記事における「企業の売掛債権流動化」の解説
売掛債権は、企業が商品を販売した場合に、代金をすぐに受け取らずに後日決済することにして、相手方に信用供与することで発生する金銭債権である。企業と企業との間に成立する金銭債権の全てが流動化の候補となり、売掛債権の流動化とは企業間の金銭債権をSPCが売主企業から指名債券譲渡の形態で買い取り、約定された金利で割り引いた金額を支払うことによってファイナンスすることである。SPCは、この買収資金をABCP等の証券化・流動化商品で調達する。商品の買い主からの代金の回収は、売主の企業がSPCの間で別途事務委任契約を締結して代行する。売掛債権を利用したファイナンスとしては、売掛債権を譲渡担保にとった借入があり、また、売掛債権を売却する仕組みとしてファクタリングという業務が存在している。ファクタリングとは、特約した企業(クライアント)から、その企業の影響活動より発生する現在及び将来の売掛債権を一括して買い取り、債券の管理・回収、継続的で回転的な金融、取引先の信用調査、信用危険の引受け、その他事務処理の代行を行う業務である。ファクタリング会社はノンバンクとして買取資金を銀行借り入れに依存するので、ファイナンス手法としては銀行による債券担保借入には劣る。従って、取立代行、信用調査、売掛金管理にかかる事務代行による付加価値を高めない限り、債権回収業という性格を有することになるため、ファイナンスとしての性格が強い債券流動化とは一線を画す。
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