仏教建築と箜篌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/26 16:06 UTC 版)
観無量寿経には、浄土では八方から吹く風によって演奏する事無く自ずから鳴る楽器が、仏教の根本原理を説く音を奏で煩悩が起こることを防ぎ、仏法僧の三宝を念ずる気持ちが沸くとある。他の漢訳仏典にも「自ずから鳴る楽器」の霊験に関する記述はしばしば見られる。その楽器はインドではヴィーナーと呼ばれ、漢訳では当時弦楽器の総称だった箜篌が当てられた。 8世紀の中国では寺院を荘厳にする仕掛けとして、ウインド・ハープの一種と考えられる風箏と呼ばれる楽器が伽藍の屋根の四隅に懸けられていた。この様式は奈良時代の日本の寺院にも導入され、日本では風箏は箜篌と呼ばれた。文書資料には奈良東大寺・京都法観寺・比叡山延暦寺など、日本各地の仏塔・多宝塔に箜篌が懸けられていたことが記されており、2001年に再建された奈良県岡寺三重塔にも和箏型の箜篌が再現されている。
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