人格主義の意味するもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/20 23:06 UTC 版)
人格主義の意味するところは、以下の三つがあるとされる。 人格向上との関連から善悪判断する 人間による道徳の善悪判断は人格を高めることとの関係から判断されるという概念。まず最高善(the highest good, das höchste Gute)たる人格があり、次いで個々の場面で人格を高めるための行為が善であるとの道徳判断があり、判断基準は階層構造となっている。 社会運動、社会制度において人格を尊重する 社会運動、社会制度においては、人格を尊重するものでなければならないという概念。そこから各人格の自由なる行動(自由主義)、各人格の平等の取扱い(平等主義、民主主義)、人命尊重などが帰結する。 人格の向上に努力する 自己の状態(現にある人格)を不断の努力によって高めて、まったき状態(あるべき人格)にまでもっていくことが最も尊い、意味ある行為である、とする概念。ここに人格は、①現にある人格(現状の人格)、②高きを目指している人格(現在進行形の人格)、③あるべき人格(目標としての人格)の三つが区別できる。①から②に移らなければならないと悟ることを自覚(self-consciousness, Selbstbewusstsein)と言う。不断の努力によって③の状態にまで高めることを、人格陶冶、人間形成、教養(culture, Bildung)と言う。この段階において、人格主義は教養主義につながる。
※この「人格主義の意味するもの」の解説は、「人格主義」の解説の一部です。
「人格主義の意味するもの」を含む「人格主義」の記事については、「人格主義」の概要を参照ください。
- 人格主義の意味するもののページへのリンク