二段耕犂 (にだんこうすき)
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二段耕犂は、短床犂の前方にこれより小形の副犂をとりつけ、耕土を上下二段に同時にすき起こす犂である。その発明は、大正後期~昭和前期まで遡るが、広く普及したのは昭和23年以降である。二段耕によりれき土の反転が向上し、薄く細かくすき起されるので、後の砕土作業が容易になるなどの効果が期待できたが、牽引抵抗は1~2割と大きくなり、また本犂と前犂の調節に多少手間どった。単用二段耕犂は、副犂支持部の違いにより、(1)ねり木型、(2)犂身型、(3)折衷型、(4)特殊型の4種があったが、それぞれに本犂と副犂の調節の難易や副犂の支持強度などでの得失がみられた。遅れて双用二段耕犂も作られたが、副犂支持部の構造は最終的には、ほとんどねり木型に統一された。その後、本犂・副犂が同時に左右に転向できる装置が考案され、また往復耕で作用が均一になるように各部の改良がはかられた。本機は、特殊型で高北式3号である。他の形式が従来の単用犂に副犂をとりつけた兼用型であるのに対し、高北式(三重県高北農機製作所製)は特殊型と呼び、二段耕犂専用の空胴鉄板による特殊犂体と調節方法を考案して用いた。 |
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