事件をモデルとした作品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 14:10 UTC 版)
この事件とゾルゲ事件をモデルとした映画が、黒沢明監督の戦後第1作『わが青春に悔なし』(1946年)である。瀧川をモデルとしたとおぼしき八木原教授を大河内傳次郎が、その娘・幸枝を原節子が演じている。大河内の教え子でのちに幸枝と結婚する人物として、尾崎秀実をモデルにした藤田進の演じる野毛隆吉が登場するが、もちろん実在の尾崎はこの事件とは無関係である。さらに学生によるデモ行進のシーンもあるが、実際には戦前のこの時期に学生デモが認められることはなかった。 近年ではかわぐちかいじの漫画作品『ジパング』に「滝川事件に連座して京大理学部を免職になり、日本軍の原爆計画に関与する科学者」という設定の倉田万作が登場する。滝川事件は法学部のみの処分で決着し、理学部とはほとんど関係のない事件であるので、この人物設定は歴史的な意味では正確さを欠くものともいえるが、「思想信条を理由に大学教員が弾圧された戦前の事件」としては象徴的な意味を今なお持っていることを示している。
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