事件の裏面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/06 21:27 UTC 版)
この事件は、見かけ以上に大きな背景のあった事件だったことは確かで、関係者の証言の中に、風見章(内閣書記官長・当時)、末次信正(内務大臣・当時)、浅沼稲次郎、平野学、天満芳太郎、内田定五郎などの名前、特に近衛文麿、麻生久、亀井貫一郎、後藤隆之助の名が頻出する。 青木保三(中溝の配下の1人)が1970年に回想録を著し、その中で、本事件の計画を団幹部で作成し16カ条にまとめ、事件前にそれを中溝と秋山定輔が荻窪の近衛邸に持参し説明をしたこと、近衛が「中溝君、なかなか面白い計画ですね」と言ったことなどを書き残している。 さらに、「両党本部を占拠した暁には、都合によっては、開催中の議会に押しよせ、その実力で議会を休会に追い込ませる場合もあり得る」ことが、近衛に対して説明した計画に含まれていたことも述べている。 この中で青木は、当事件に関して近衛、秋山定輔、秋田清、風見、末次、麻生、亀井、後藤らは事件の計画を事前に了解していたと思う、と証言している。 青木の言を信ずるならば、事件がクーデターに発展する可能性もあることを近衛らが事前に了解していたことになる。近衛が本事件の裏にいたという風説は、麻生久も信じていたらしく、河野密が『麻生久伝』の中に直に麻生から聞いた話として載せている。また、伊藤隆が河野に改めて問い合わせた際にも同様の回答を寄せている。 ただし、伊藤隆によると青木の証言内容を全面的に信用することはできないということなので事件の裏の真相は正確にはわからない。
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