中央寺 (札幌市)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 中央寺 (札幌市)の意味・解説 

中央寺 (札幌市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/12 06:48 UTC 版)

中央寺
本堂
所在地 北海道札幌市中央区南6条西2丁目1
山号 實相山
宗派 曹洞宗
創建年 1874年明治7年)
正式名 實相山中央寺
法人番号 9430005000274
テンプレートを表示

中央寺(ちゅうおうじ)は北海道札幌市中央区南6条西2丁目にある曹洞宗仏教寺院。山号は實相山[1]。大本山永平寺直末[2][3]

歴史

1874年明治7年)創建[2][4][5]。開基は總持寺東京出張所の役僧を務めていた西有穆山(のち總持寺貫首)[2][4]。西有は1874年8月に開教の命を受けて渡道し[5]、各地を巡回した後[6]開拓使に赴き大判官の松本十郎を説き伏せて[5]、現在の中央区南2条西9丁目に小教院建設用の敷地1620坪の提供を受けた[2]。同年12月に西有に随行していた小松萬宗(のち二世住職)の指揮により、同地に札幌小教院が建設された[2][5]。翌年中教院に昇格し[2][7]1879年(明治12年)には本堂が完成した[7]1881年(明治14年)曹洞宗宗務支局と改称し[7]、翌1882年(明治15年)に寺号公称を認可され、「中央寺」となった[2][7]1892年(明治25年)に南6条西2丁目の現在地に移転した[2][8]。創建以来、当寺は曹洞宗の北海道における布教拠点としての役割を担い、歴代住職は道内各地に次々と末寺を建立していった[4]。その数は現在までに29を数え[4][9]、孫末寺を含めると道内でも屈指の規模を誇る[9]

このような創建と発展の経緯が示すように、当寺は歴史的には僧侶が修行する寺というよりも、檀信徒の信仰のために存在する寺であるという側面が強かった[10]。そのため坐禅修行を重んじる曹洞宗の寺院でありながら、僧侶による本格的な坐禅修行は長く行われていなかった[10]1976年昭和51年)に住職となった宮崎奕保(のち永平寺七十八世貫首)はこの状況を憂い、就任早々寺の規則「山内規」を定め、僧侶たちに対して厳格な坐禅修行を義務付けるようになった[10]。宮崎と後任の住職・坪田俊好の尽力により、1996年平成8年)に正式に僧堂の認可を受けた[11]

沿革

  • 1874年 – 西有穆山によって現在の札幌市中央区南2条西9丁目に小教院設置。建設は西有に随行していた小松萬宗が担当
  • 1875年 – 中教院に昇格
  • 1876年 – 仮教場建設[7]
  • 1879年 – 本堂完成
  • 1880年 – 諸堂が建立され、寺院の体裁が調う[7]
  • 1881年 – 曹洞宗宗務支局と改称
  • 1882年 – 1月、寺号公称を認可され、「中央寺」となる。10月、永平寺六十一世貫主・久我環渓が札幌巡教に訪れて中央寺に滞在[7]。久我が開山、西有が開基、小松が二世となる[7]
  • 1892年 – 現在地に移転、永平寺直末となる[8]
  • 1915年 – 大正天皇即位記念として大梵鐘を鋳造し、鐘楼堂を新築する[12]
  • 1950年 – 二世小松萬宗の五十回忌及び高祖大師七百大遠忌の記念事業として位牌堂を新築し、不老閣を建築する[13]
  • 1996年 – 曹洞宗より専門僧堂の認可を受ける

末寺

交通アクセス

脚注

  1. ^ 公式には「實」の異体字(ウ冠に「呆」)を用いて「宲相山」と表記するが、機種依存文字であるため、公式サイトでは「實相山」の表記も用いる。
  2. ^ a b c d e f g h 『札幌市史 文化社会編』、340頁。
  3. ^ 石川、149頁。
  4. ^ a b c d 石川、151頁。
  5. ^ a b c d 『実相山中央寺門葉諸山寺誌聯芳録』、23頁。
  6. ^ 『実相山中央寺門葉諸山寺誌聯芳録』、234頁。
  7. ^ a b c d e f g h 『実相山中央寺門葉諸山寺誌聯芳録』、235頁。
  8. ^ a b 『実相山中央寺門葉諸山寺誌聯芳録』、236頁。
  9. ^ a b 『実相山中央寺門葉諸山寺誌聯芳録』、3頁。
  10. ^ a b c 石川、152頁。
  11. ^ 石川、155頁。
  12. ^ 『実相山中央寺門葉諸山寺誌聯芳録』、237頁。
  13. ^ 『実相山中央寺門葉諸山寺誌聯芳録』、240頁。
  14. ^ [1]
  15. ^ [2]
  16. ^ 中央院公式サイト東川寺ホームページ[3]
  17. ^ [4]
  18. ^ 公式ホームページ[5]
  19. ^ 公式ホームページ納骨堂
  20. ^ 公式ホームページ全久寺まつり
  21. ^ 公式ホームページ
  22. ^ 公式ホームページ
  23. ^ 公式ホームページ曹洞禅ナビ
  24. ^ 曹洞禅ナビ
  25. ^ 公式曹洞禅ナビ
  26. ^ 公式ブログ曹洞禅ナビ
  27. ^ 公式ホームページ[6]

参考文献

  • 札幌市史編集委員会編『札幌市史 文化社会編』、1958年
  • 『実相山中央寺門葉諸山寺誌聯芳録』實相山中央寺、2009年
  • 石川昌孝著『座禅をすれば善き人となる – 永平寺 宮崎奕保禅師 百八歳の生涯』講談社、2008年

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「中央寺 (札幌市)」の関連用語

中央寺 (札幌市)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



中央寺 (札幌市)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの中央寺 (札幌市) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS