中判デジタルカメラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 18:49 UTC 版)
中判デジタルカメラとしては、中判フィルムカメラのシステムをそのままデジタルバック(中判デジタルバック)等で継承するもの、システムのうち、レンズ交換式中判フィルムカメラなどのマウント等のインタフェースを継承していくつかの部分は新設計としたもの、ミラーレス一眼カメラ等の形式で全く新しく設計されたもの、などがある。業務用カメラの中でも最高峰の製品群で、特に高精細な画像が必要な場合に用いられる。極めて値段が高いため一般的な店舗では取り扱っておらず、製品カテゴリ自体が広く知られていない。通常中判カメラのような画質やボケ効果は必要ないため、プロのカメラマンでも所有者はごく僅かである。 中判デジタルカメラのイメージセンサーのサイズは、2016年現在、フィルムカメラにおける120(及び220)フィルムの撮影幅をベースとした60mm系列よりも小さいものがほとんどであり、約44mm×約33mmのものが多く、その意味では「中判」の語は、イメージセンサーのサイズがライカ判(デジタル時代の俗語ではいわゆる「フルサイズ」)より大きい、といったような意味になっている。これが一時的なもので、今後フィルムのそれと同程度のサイズまで拡大されたもの(両者の中間程度のものも含め、2016年現在、いくつか存在している)がメジャーとなるのか、約44mm×約33mmが(APS-Cサイズなどのように)新しいデファクトスタンダードとして定着するのか、は未来のことで不明瞭である。ともあれ、いわゆる「フルサイズ」より大きくかつ画素数も多く(あるいは同一画素数であれば感度や対ノイズ特性に優れるはずで)、それゆえ価格も相応に高価(60万円~600万円の価格帯)だが、高画質・高詳細・大きなイメージセンサーによるボケ効果などを求めた需要に対し供給されているものとみられる。A0サイズの印刷でもノイズが見えないほどに高画質であるが、通常はそこまでの画質が要求されないため、需要は少ないと言える。
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