世界初のRCD工法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/23 02:37 UTC 版)
本体の建設にあたっては、以後のダム建設の合理化を視野に入れ、世界で初めて本体施工にRCD工法の本格採用に踏み切ったことが特筆される。RCD (Roller Compacted Dam-Concrete) 工法とは、セメント量を少なくした超硬練りのコンクリートをブルドーザーで敷きならし、上から振動ローラーで締め固めることによってコンクリートの打設を行う工法であり、それまでの現場配合コンクリートをケーブルクレーン等で現場内運搬し、バイブレーターで締め固める工法に比べて大量打設が可能になり、施工性が飛躍的に向上するとともに、ブルドーザー・振動ローラーといった汎用建設機械を使用することでダム建設専用の機械を持ち込む必要が少なくなり、ダム建設コストの縮減にも寄与する工法である。 RCD工法は大川ダム(阿賀野川本川・建設省北陸地方建設局。福島県南会津郡下郷町)の仮締め切り部・マット部などで試験施工され、島地川ダムの本体施工に導入された。島地川ダムがRCD工法の第一号に選定された理由としては、 建設省の想定していた、堤高が80m・堤体積40万m3 のダムに近かったこと 管理の簡素化を図るためにゲートレス構造になることが決まっており、堤体構造が比較的シンプルだったこと 地形が急峻であり、ケーブルクレーンを使った従来工法を採用することが困難だったこと などが挙げられる。
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