世界初のSOS発信という誤解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 04:32 UTC 版)
「SOS」の記事における「世界初のSOS発信という誤解」の解説
もうひとつはフィリップス通信士が途中からブライド通信士の「新しい」SOSを使おうという提案に応じたことから、この時のSOSこそが世界初の発信であろうと思われてしまう点である。 タイタニック号沈没事故の一週間前の4月8日早朝、ボルチモアからボストンに向かっていた Merchants & Miners Transportations社の「オンタリオ号(SS Ontario)」(呼出符号Q2)の事故でも遭難信号SOSが使われ、新聞記事になっているとおり、タイタニック号がSOSを発した最初の船ではないことは良く知られていた。しかし年月の経過とともに、タイタニック号以前に用いられたSOSのことは忘れ去られ、「タイタニック号が世界初のSOSを発した」とする書籍や雑誌が見られるようになった。 なお初めてSOSを使用したマルコーニ局に関してはタイタニック号のMGY(フィリップス通信士の発信)だといわれており、もしそうならば、前述したスラボニア号のマルコーニ局MVAが初めてSOSを発したという説は自動的に否定される。なお他社と交信しないマルコーニ社の方針は1912年10月に撤廃された。これに同期するかのようにマルコーニ社のCQDの使用は終了した。
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