世代構造の謎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/27 02:19 UTC 版)
「CKM行列」を参照 標準模型のフェルミオンはヒッグスの真空期待値との結合(俗に湯川結合という)により質量を獲得しているが3世代が独立に結合しているわけではない。たとえば荷電レプトンの1世代と2世代とヒッグスという3点結合が存在し、3世代合わせると3×3行列として書ける質量行列として質量を得ている。この質量行列を対角化した後の質量固有状態として物理的なモード、すなわち電子やミュー粒子などのモードが書ける。標準模型の質量行列の要素はフリーパラメータとなっており、その値には数桁の開きがある。またレプトンとクォークでは質量行列の構造が大きく違い、レプトンの質量行列では非対角要素が大きく、クォークの質量行列では非対角要素が比較的小さい値を取っている。すなわち標準模型を使って現実の粒子描像を記述するためには質量パラメータに微細な調整が必要になってくる。この構造を対称性やオーダー1のパラメータを用いた理論から再現する研究が広く進められている。 標準模型における世代を俗にフレーバー(flavor)と呼び、フレーバー構造(flavor structure)、フレーバー物理(flavor physics)、フレーバー混合(flavor mixing)等の呼称で広まっている。
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