不規則衛星とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 自然科学 > 宇宙 > 衛星 > 不規則衛星の意味・解説 

ふきそく‐えいせい〔‐ヱイセイ〕【不規則衛星】

読み方:ふきそくえいせい

極端に離心率大き順行衛星逆行衛星惑星周囲円盤から形成されたものではなく異なる場所でできた微惑星惑星の重力によって捉えられたと考えられる巨大惑星周囲に多い。⇔規則衛星


不規則衛星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/04 07:38 UTC 版)


不規則衛星(ふきそくえいせい)とは、天文学において離心率が大きく傾いた順行軌道や、逆行軌道を持っているような衛星のことを現す。 それらは規則衛星とは異なり、当該惑星近傍とは異なる場所で形成されたものが現在の軌道に捕えられたのだと推測されている[1][2]

1997年以前はフォボスヒマリア等の10個ほどしか、不規則衛星が知られていなかったが、1997年以降木星型惑星において、次々発見された。これらの衛星は惑星の近くの軌道から巨大惑星の重力圏に入った際現在の位置に捉えられたと考えられている。また、これらの星の起源をカイパーベルト天体に求める研究者もいる。

木星型惑星の不規則衛星の探査機による近接撮影の前例は、地表の詳細が十分に判別できる画像としては、土星のフェーベと海王星のトリトンの2天体のみである。このほか木星のヒマリアや海王星のネレイドが探査機によって撮影された例はあるが、これらは距離が離れていたため詳細な画像は得られなかった。

定義

惑星 rH (Gm)
木星 51
土星 69
天王星 73
海王星 116

不規則衛星にはきちんと決められた定義があるわけではなく、一般的に主惑星からの距離が大きく、軌道平面歳差運動が主に太陽に制御されるようなものを言う。 実際は、衛星の長半径を惑星のヒル球(惑星の重力範囲圏を表した球)の距離rHと比較することによって考えられることが多く、おおむね軌道長半径が0.05rHよりも大きく遠点が0.65rHよりも遠くに達するものを不規則衛星と言う。 右表は各々の惑星のヒル球が1となる距離を表している。

軌道

分布

木星 (赤)、土星 (黄色)、天王星 (緑)、海王星 (青) の不規則衛星。水平軸はヒル球の半径、惑星からの距離(長半径)を示している。縦軸は軌道傾斜率を表し、円や点は相対的な大きさを表す。

知られている不規則衛星の軌道は多種多様であるが、規則性もある。逆行の不規則衛星は順行のものよりもさらに規則性がある。軌道傾斜角が55°よりも大きい衛星はほとんど発見されていない。また、順行衛星の場合、その角度は130°より小さい。さらに、大きな衛星がいくつかの小さな衛星と軌道を共有するグループもいくつかある。

惑星から遠く外側に軌道を持つ衛星は、短い期間で軌道要因太陽重力や自己の軌道の影響によって大きくかき混ぜられている。例えばパシファエの長半径は、パシファエの軌道一周(2年)で1.5Gmも変化し、軌道傾斜角にして10°、離心率は木星時間の2年(24年)で0.4の変化があった。

よって、平均の軌道要素(時間平均)は軌道と日付から位置を割り出すより、むしろ小惑星の族を決めるのに使われるように個別化とグループ分けに使われる。

脚注

関連項目


不規則衛星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 09:40 UTC 版)

土星の衛星」の記事における「不規則衛星」の解説

軌道の5群の正規衛星比較し、外軌道の3群は全て軌道が特殊である。小惑星太陽系外縁天体等の土星系外天体捕獲されたとの説もある。 右図土星の不規則衛星の軌道グラフ表したのであるY軸軌道の傾斜角を単位度で表す。グラフの上部が順行下部逆行衛星である。X軸土星からの距離を表し土星ヒル球土星重力圏)の範囲直径65Gm以内)を示す。各衛星の線は近土点距離、遠土点距離を結んだもので、線の長さ概ね離心率を表す。 名称の確定している衛星黄色仮名称の衛星は白、2005年以降発表され衛星灰色で示す。

※この「不規則衛星」の解説は、「土星の衛星」の解説の一部です。
「不規則衛星」を含む「土星の衛星」の記事については、「土星の衛星」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「不規則衛星」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



不規則衛星と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「不規則衛星」の関連用語

不規則衛星のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



不規則衛星のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの不規則衛星 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの土星の衛星 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS