不発弾の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 21:00 UTC 版)
戦時中において、不発弾が問題とされるのは作戦(戦術)の可否においてのみで、特に大量の爆弾を使用している場合には、何割かが爆発しなくても、予測できる範疇内であれば、ほとんど問題とされない。例えば、爆撃において2割の爆弾が不発弾になるとの予想があれば、2割5分多めに爆弾を積載して爆撃するといった方法で対処される。 この不発弾に「機能上に欠陥がなくとも爆発しなかった物」がある場合、安全装置が外れた「信管に適切に衝撃を加えさえすれば、すぐ爆発する」状態で放置される事になる。このような不発弾は、一種の地雷のようなもので、戦後復興の妨げになる。フランスでは、第一次世界大戦の不発弾が今でも大量に残っており、全てを処理するには700年ほどの時間を要するとされる。 爆弾は通常、鉄製の容器に火薬を充填しており、特に戦乱の長く続いた地域で発生する資源不足の折に、スクラップとして鉄製品にリサイクルされるという例もある。こうした目的で不発弾を回収したスクラップ業者などが、信管を処理する段階で失敗、爆発させてしまい爆死するという事件も報じられている。また、畑などに落ちた爆弾を処理しようと掘り起こしていて、被害に遭うケースもある。 第二次世界大戦の際、米国は日本に対して焼夷弾を大量に使用し、この中にも発火に失敗して不発弾となった物があった。 大量の小型爆発物を散布するクラスター爆弾のような兵器では、後々に残る不発弾の量も多く、使用された紛争地域での問題となっているため、オスロ条約など規制を求める議論も起きている。 2018年8月、ドイツ・ブランデンブルク州で山火事が発生した際には、山林に散乱していた不発弾が多数爆発。負傷者はいなかったが、消火の支障となった。
※この「不発弾の問題」の解説は、「不発弾」の解説の一部です。
「不発弾の問題」を含む「不発弾」の記事については、「不発弾」の概要を参照ください。
- 不発弾の問題のページへのリンク