三相モデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/31 00:51 UTC 版)
1969年にフィールド (Field)・ゴールドスミス (Goldsmith) ・ハビング (Habing) が、それまでに観測された星間空間の性質を説明するために、"二相モデル"を提案した。このモデルでは星間空間は、ほとんどが中性の(イオン化されていない)水素分子によって構成され、低温 (300 K以下) で密度が高い分子雲相と、中性かもしくは電離されたガスで構成される、比較的高温 (およそ1000 K) の希薄な分子雲間ガス相に分けられる。1977年にクリストファー・マッキー(英語版)とエレミア・オストライカーは、さらに超新星爆発によって発生した衝撃波によって温められた超高温(およそ1,000,000 K)な相を加えた。この相は星間空間の体積の大半を占めており、彼らの論文はここ25年以上におよぶこれらの研究の基礎についても言及されている。しかしながら、これらの相の分類やその比率については、天文学者の間で現在も議論がなされている。 以下に、星間空間の相についての温度・密度・主な構成粒子をまとめた。 星間空間 (ISM) の相天体(相)占める割合温度(K)密度(atoms/cm3)主な粒子の形態分子雲 < 1% 20 - 50 103 - 106 水素分子 低温中性雲 (CNM) 1-5% 50 - 100 1 - 103 水素原子 高温中性雲 (WNM) 10-20% 1000 - 5000 10-1 - 10 水素原子 高温電離雲 (WIM) 20-50% 103 - 104 0.01 水素イオン HII領域 ~10% 104 102 - 104 水素イオン コロナガス超高温電離雲 (HIM) 30-70% 106 - 107 10-4 - 10-2 非常に電離度が高くほとんどの粒子がイオン化
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