一味神水とは? わかりやすく解説

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いちみ‐しんすい【一味神水】

読み方:いちみしんすい

中世近世に、一揆などで誓約結ぼうとする者が、起請文などを記し各自署名の上、それを灰にして、神前供えたにまぜ、一同回し飲みし団結誓い合った儀式


一味神水

読み方:イチミシンスイ(ichimishinsui), イチミジンスイ(ichimijinsui)

中世言葉一味同心誓い神水を飲むこと。


いちみしんすい 【一味神水】

日本で、中世近世農民一揆の時、集団誓約する儀式神前起請文書き加盟者が署名し、それを焼いて灰にして神に供え混ぜて飲み回した口頭誓約し神水を飲む略式法もある。神の前で固く心を一つにする目的があった。

一味神水

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 02:25 UTC 版)

一味神水(いちみしんすい)とは、中世日本において「一味同心(いちみどうしん)」と称される一致団結(同盟惣結合一揆)を結ぶ際に、参加者が行った誓約の儀式・作法である。神水起請(しんすいきしょう)とも呼ばれる。

概要

一味同心に参加する人々が神社の境内など神前に集まり、誓約を記した起請文などに参加者全員が署名して神前に捧げる。その後、神を呼ぶためになどの金属器を打ち鳴らしながら、起請文を焼いて灰にして同じく神に捧げた神水(しんすい)と呼ばれる水(代用品として神酒)に混ぜ、それを一同で回し飲みした(ただし、起請文を作成せずに口頭で誓約して神水のみを回し飲みするなど、略式で行われた場合もあった)。

神前という厳かな場所に響く金属器の音や燃やされた起請文の焦げた匂いという演出も加わった中での神水の回し飲みは、神と人、そして一味同心の仲間同士との共同飲食共飲共食)を介した一体化を促し、神前での誓約は約束を違えた場合には神罰を受けるという認識を当事者にもたらした。

一味神水を伴ったとみられる起請文の控えとして、文永7年(1270年)・永仁6年(1296年)に近江国大島・奥津島両社の神官と百姓間で行われたものや長禄元年(1457年)に和泉国日根郡国人9名によって行われたものが知られている。

江戸時代に入ると、徒党を組む行為を公儀に反する行為とみなされるようになる中で、一味同心そのものを禁止する藩法(「和歌山藩定書」)も出現し、一味神水も規制されるようになっていった。

「悪党の一味」などと使われる一味は一味神水の儀式を由来とする[1]

出典

  1. ^ 春秋(7月22日)” (日本語). 日本経済新聞 (2022年7月22日). 2022年7月30日閲覧。

参考文献

  • 小泉宜右「一味神水」(『国史大辞典 1』(吉川弘文館、1979年) ISBN 978-4-642-00501-2
  • 勝俣鎮夫「一味神水」(『日本史大事典 1』(平凡社、1992年)ISBN 978-4-582-13101-7
  • 下東由美「一味神水」(『日本中世史事典』(朝倉書店、2008年) ISBN 978-4-254-53015-5
  • 千々石到「一味神水」(『歴史学事典 9 法と秩序』(弘文堂、2002年) ISBN 978-4-335-21039-6

関連項目




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