ヴェルヴィッチュによるエウフォルビア・カンデラブルム
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「エウフォルビア・カンデラブルム」の記事における「ヴェルヴィッチュによるエウフォルビア・カンデラブルム」の解説
まずオーストリア出身のフリードリヒ・ヴェルヴィッチュは現在のアンゴラの首都ルアンダ近郊で巨大なユーフォルビアを発見して Candelabra という種小名を与え、このことを友人リチャード・キッピスト(英語版)宛のドイツ語の手紙の中に記した。そしてこの手紙は英訳され、1855年にロンドンの『リンネ協会会報』(スペイン語版)中で公開された。この手紙にはさほど詳細ではないながらも「直径2分の5フィート、高さ30フィートの茎を持ち」という形態的特徴に関する記述が一応含まれており、2018年度版の国際藻類・菌類・植物命名規約第38条第1項に照らし合わせても新種記載の際に何らかの形態的特徴が記されてさえいればその詳細さまでは問われていないため、ヴェルヴィッチュによるアンゴラ産の Euphorbia candebalrum の新種記載は有効と認められる。なおユーフォルビア類の新種記載を行ってきたスーザン・カーター(英語版)のように〈1855年の新種記載の根拠となったヴェルヴィッチュの手紙はあくまでも友人に宛ての私信であり、彼は手紙が公開されることを意図していなかった〉という主旨の理由や当時「既にほかにもそのような木本は知られていた」ことなどを挙げ、この新種記載を無効と見做す主張も存在したが、これに対して Bruyns & Berry (2019:831) はヴェルヴィッチュの意図を知ることなどもはや不可能で、私信の性格を持つ刊行物であろうとそうでなかろうと、形態に関する言及が織り込まれ、さらにルアンダの半径20マイル前後の範囲内に類似する木本は見当たらないという事実が存在する以上、新種記載の要件である既存の種との区別となる形態に関する言及は行われているとし、カーターの主張を退けている。
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