ワット・チェットヨート (チエンマイ)とは? わかりやすく解説

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ワット・チェットヨート (チエンマイ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/04 17:49 UTC 版)

ワット・チェットヨート
วัดเจ็ดยอด
Wat Chet Yot
基本情報
座標 北緯18度48分33秒 東経98度58分18秒 / 北緯18.80917度 東経98.97167度 / 18.80917; 98.97167座標: 北緯18度48分33秒 東経98度58分18秒 / 北緯18.80917度 東経98.97167度 / 18.80917; 98.97167
宗教 仏教
地区 チェンマイ
チエンマイ県
タイ
建設
様式 ラーンナー様式
創設者 ティローカラート
着工 1455年
完成 1476年
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外壁面の漆喰の装飾

ワット・チェットヨート (Wat Chet Yot、タイ語: วัดเจ็ดยอด、正式名称: ワット・ポータラーム・マハー・ウィハーン、Wat Photharam Maha Wihan、タイ語: วัดโพธารามมหาวิหาร) は、タイ北部チエンマイ仏教寺院(ワットwat)。巳年に生まれた人のための巡礼地(プラタート・プラチャムピークート)である。

位置

ワット・チェットヨートは、チエンマイ市内中心部の北西に位置しており、フアイケーオ通り (Huay Kaeo Road) とニマンヘミン通り (Nimmanhaemin Road) の交差点より北のスーパーハイウェイ(チエンマイ - ランパーンハイウェイ11〉)沿いにある。

歴史

ティローカラート[1]ビルマバガンにあるマハーボーディ寺院英語版[2]の設計を学ぶために僧を送った後、西暦1455年に[1]寺院の建造を命じた。その寺院自体、釈迦牟尼悟りを開いたインド北部にあるブッダガヤマハーボーディ寺院の模作であった[1][3]。史書『ジナカーラマーリー』によると、西暦1455年に王はその場所に菩提樹を植え、1476年[2]、おそらく仏誕2000年を記念する祝賀式典のため[1]「この僧院に大祠堂を建立した」。その翌年には第8次結集(仏典の編集会議)が[4]ワット・チェットヨートで行われ、三蔵パーリ仏典)が編纂された。

構成

中央祠堂のマハー・ポー・ウィハーン (Maha Pho wihan) ないしマハー・チェーディー (Maha Chedi、タイ語: มหาเจดีย์) の様相は、確かにマハーボーディ寺院に多少似ており、明らかにインドの影響を受けている。長方形の窓のない建築物の陸屋根の頂部にあるのは、寺院の名前となる「7基の尖塔」(「チェット・ヨート」、‘chet yot’)である[4]。中央後方に正方形の基部をもつピラミッド型の尖塔が、同じく4基の小形の尖塔で囲まれており[5]、また、中央の建造物の上部に別となる小形な2基の鐘型の仏塔(チェーディー、chedi)がある。

マハー・チェーディー内部の仏像

建物の内部には、筒型の丸天井(筒型ヴォールト: barrel vault)をもつ廊下があり、その終端には仏像がある。仏像の左右の狭い階段は屋上に通じる。女性は屋上に登るべきではなく、寺院のこの箇所には男性のみ入場が認められている[6]。かつては菩提樹が屋上に生えていたが、構造物の崩壊を防ぐため、西暦1910年に除去された。

建物の外面は、部分的にかなり風化しているが、特徴的なものとして上下2段に並ぶ天人(テーワダー、thewada)の化粧しっくい(スタッコ)のレリーフがあり[5]、王ティローカラートの縁者の顔を模して型取られていると伝えられる[4]

ティローカラート・チェーディー

広い寺院の敷地には、ラーンナー様式(プラサート様式)のいくつかの仏塔(および仏塔の遺構)がある。すべて鐘型の仏塔であり、その基部の四方の壁の窪み(壁龕)には仏像もある。最も大きい仏塔には王ティローカラートの遺灰が納められている。

本堂の木製の妻側

寺域の北東の隅には、見事に彫刻された木製の妻側が見られる小さな本堂(ウボーソット、ubosot)があり、寺院の聖域を定める結界石(バイセーマ、bai sema)に囲まれる。

池と正方形の仏堂(モンドップ、mondop)が寺院の敷地の南端にある。仏堂はナーガラージャムチャリンダに守られる仏陀像が安置されている。

脚注

  1. ^ a b c d 伊東照司 『東南アジア美術史』雄山閣、2007年、68頁。ISBN 978-4-639-02006-6 
  2. ^ a b 前田耕作監修 編 『カラー版 東洋美術史』美術出版社、2000年、113頁。 ISBN 4-568-40051-1 
  3. ^ 中村浩 『ぶらりあるきチェンマイ・アユタヤの博物館』芙蓉書房出版、2016年、64頁。 ISBN 978-4-8295-0701-8 
  4. ^ a b c 谷克二 『タイ/ラオス歴史紀行』((第3版))日経BP、2008年、107-108頁。 ISBN 978-4-86130-336-4 
  5. ^ a b フィリップ・ローソン 著、レヌカー・M、永井文、白川厚子 訳 『東南アジアの美術』めこん、2004年、223頁。 ISBN 4-8396-0172-0 
  6. ^ http://www.orientalarchitecture.com/thailand/chiangmai/wat-chet-yot.php

参考文献

  • Michael Freeman: Lanna - Thailand's Northern Kingdom. River Books, Bangkok 2001, ISBN 0-500-97602-3
  • タイ語: ศิริศกดิ์ คุมรักษา (Sirisak Khumraksa, Publisher): タイ語: หนังสือชุด แผนที่ความรู้ เมืองไทย - ศาสนศิลป์ บน แผ่นดินล้านนา (Buddhist Art of Lanna). Plan Readers Publication, Bangkok 2003, ISBN 974-91558-8-2

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