ロブ・グリエとは? わかりやすく解説

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ロブ‐グリエ【Alain Robbe-Grillet】

読み方:ろぶぐりえ

[1922〜2008フランス小説家映画監督ヌーボーロマン代表する一人脚本担当した映画去年マリエンバートで」はベネチア国際映画祭金獅子賞受賞。その他、小説消しゴム」「覗(のぞ)く人」「嫉妬(しっと)」など。


ロブグリエ

名前 Robbe-Grillet

アラン・ロブ=グリエ

(ロブ・グリエ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/29 06:50 UTC 版)

アラン・ロブ=グリエ
Alain Robbe-Grillet
ロブ=グリエ、2006年
誕生 1922年8月18日
フランス共和国、キルビニヨン
死没 (2008-02-18) 2008年2月18日(85歳没)
フランスパリ
職業 作家、映画監督
言語 フランス語
国籍 フランス
文学活動 ヌーヴォー・ロマン
サイン
ウィキポータル 文学
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アラン・ロブ=グリエ(Alain Robbe-Grillet, 1922年8月18日 - 2008年2月18日)は、フランスの小説家映画監督ヌーヴォー・ロマンの代表的作家とされる。

経歴

ブレスト郊外のキルビニヨンに生まれる。地元で初等・中等教育をうけたのち、パリのリセ・ビュッフォンに転校。1941年に国立農業技術専門学校に入学、在学中にドイツ軍に徴用され、ニュルンベルクの工場で強制労働に従事する。戦後1946年に専門学校を卒業。1949年に植民地果実柑橘類研究所のバナナ農場監督官となり、1951年までの間にギニア西インド諸島マルチニックグアドループを監察してまわる。

1949年、最初の小説『弑逆者』を書き上げるが、これは1978年になるまで発表されなかった。1951年、帰国の船上で『消しゴム』を執筆。同年『クリティック』誌11月号に書評を寄稿。1953年、デビュー作『消しゴム』を深夜叢書(ミニュイ社)から出版、フェネオン賞を受賞するとともにロラン・バルトによって絶賛される(「対物的文学」)。翌年、『覗く人』を刊行し批評家賞を受賞、ミニュイ社の文芸顧問に就任する(1980年まで)。

1957年、文章から感情を極限まで廃し視覚的な客観描写に徹した小説『嫉妬』を発表、一般の読者からは酷評されるが、1959年の『迷路のなかで』はおおむね好評を得る。1960年、アラン・レネ監督の映画『去年マリエンバートで』のシナリオを手がける。同作は翌年にヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞し、自身はアカデミー脚色賞にノミネートされた。1963年には最初の監督映画『不滅の女』が公開された。これらと平行して上記作品の映画原作本(シネロマン)を刊行する。

以後、軽妙な作風に移行した小説『快楽の館』(1965年)などを刊行。

2004年アカデミー・フランセーズの会員(座席番号32)に選出。2008年、フランス北西部カーンの病院にて死去。85歳没。

著作

小説

  • Un régicide 1949年。1978年に出版
  • Les Gommes 1953年
  • Le Voyeur 1955年
    • 望月芳郎訳『覗くひと』冬樹社, 1966年、講談社、1970年、講談社文芸文庫, 1999年
  • La Jalousie 1957年
  • Dans le labyrinthe 1959年
    • 平岡篤頼訳『迷路のなかで』講談社文芸文庫, 1998年。元版は新潮社「現代フランス文学」1965年
  • La Maison de rendez-vous 1965年
    • 若林真訳『快楽の館』河出書房新社, 1969年、新版1980年、河出文庫, 2009年
  • Projet pour une révolution à New York 1970年
    • 平岡篤頼訳『ニューヨーク革命計画』新潮社, 1972年
  • Topologie d'une cité fantôme 1976年
    • 江中直紀訳『幻影都市のトポロジー』新潮社, 1979年
  • Souvenirs du Triangle d'Or 1978年
  • Djinn 1981年
    • 平岡篤頼訳『ジン』集英社, 1990年
  • La Reprise 2001年
    • 平岡篤頼訳『反復』白水社, 2004年
  • Un Roman Sentimental 2007年

短編

  • Instantanés 1962年
    • 白井浩司・永井旦訳『スナップショット』第三書房, 1966年、改訂版1981年。下記の『新しい小説のために』新潮社にも併せて収録

自伝的小説

  • Le Miroir qui revient 1985年
    • 芳川泰久訳『もどってきた鏡』水声社, 叢書フィクションの楽しみ、2018年
  • Angélique ou l'enchantement 1988年
  • Les derniers jours de Corinthe 1994年

随筆・評論

  • Pour un Nouveau Roman 1963年
    • 平岡篤頼訳『新しい小説のために』新潮社, 1967年
  • Le voyageur, essais et entretiens 2001年

脚本・シナリオ

  • L'Année dernière à Marienbad 1961年
  • L'Immortelle 1963年
  • Glissements progressifs du plaisir 1974年
    • 平岡篤頼訳『快楽の漸進的横滑り』新潮社, 1977年

映画

  • 『不滅の女』 ("L'immortelle" 1963年)
  • 『ヨーロッパ横断特急』(Trans-Europ-Express 1966年)
  • 『嘘をつく男』(L'homme qui ment 1968年)
  • 『エデン、その後』(L'Eden et après 1971年)
  • 『快楽の漸進的横滑り』("Glissements progressifs du plaisir" 1974年)
  • 『危険な戯れ』(Le Jeu avec le feu 1975年)
  • 『囚われの美女』(La Belle Captive 1983年)
  • 『狂気を呼ぶ音』(Un bruit qui rend fou 1995年)
  • 『グラディーヴァ マラケシュの裸婦 』(C'est Gradiva qui vous appelle 2007年)

参考文献

  • アラン・ロブ=グリエ 『迷路のなかで』 平岡篤頼訳、講談社文芸文庫、1998年(巻末年譜)
  • 平岡篤頼 「ロブ・グリエ - ウェイバックマシン」 Yahoo! 百科事典(小学館 『日本大百科全書』) 2013年9月9日閲覧

脚注

外部リンク


前任
モリス・ランス
アカデミー・フランセーズ
席次32

第20代:2004年 - 2008年
後任
フランソワ・ヴェイエルガンス





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