レンズ式投影機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 02:36 UTC 版)
恒星球に内蔵された恒星原板と呼ばれる恒星の座標・等級に応じた小穴を開けた薄い金属箔(全天を32分割して、32枚の恒星原板を用意する)に光源の光を通し、その光をさらに集光レンズを通して集約し、ドーム内に投影する方式。ピンホール式に比べて光の経路はより複雑になり、多くのレンズを恒星球に仕込まなければならない関係上、軽量化・小型化・低価格化が難しいものの、ピンホール式よりシャープな星像を容易に得ることができ、また恒星原板さえ作成できれば投影する恒星の増加にも対応可能である。現在、プラネタリウム投影機の主流を成している方式である。近年では、カール・ツァイスの投影機などでは光源から恒星原板へ光を導くための導光路として、光ファイバーを使用するものもある。これにより、等級に応じて光の強度を変えることができるため、星像がよりシャープになる。また、従来は光源からの光の9割以上は無駄になっていたが、光の利用効率が高まるという利点もある。この結果、光源ランプの出力が少なくて済み、消費電力を減らすことができるようになったが、光ファイバーを恒星原板に直接植え付ける構造のため、光学系の小型化や再現できる恒星数に限界がある点も否めない。半導体製造技術で発達した微細加工技術を応用して導光路を形成する方法も開発されつつある。
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