レジオレギュラリティー (立体規則性)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/15 08:34 UTC 版)
「ポリチオフェン」の記事における「レジオレギュラリティー (立体規則性)」の解説
3-位置換チオフェンモノマーを2,5-位間で結合させるとき、モノマーの非対称性により3種の構造が考えられる。その構造を以下に示す。 2,5', head–tail (HT), カップリング 2,2', head–head (HH), カップリング 5,5', tail–tail (TT), カップリング これらの組み合わせにより図に示すような4種の異なる3量体を作ることができる。 それら三量体は核磁気共鳴分光法によって識別することができ、レジオレギュラリティーの度合いを積分によって推定することができる。 エルセンバウマーらは、ポリチオフェン類のレジオレギュラリティーの効果に初めて注目した。3-メチルチオフェンおよび3-ブチルチオフェンのレジオランダムの共重合体は50 S/cmの伝導性を有し、さらに、HTとHHカップリングの割合が2:1のレジオレギュラー共重合体は140 S/cmというより大きな伝導性を持つ。94%より多くのHTを含む位置規則性ポリ(3-(4-オクチルフェニル)チオフェン)(POPT)のフィルムは4 S/cmの伝導性を有するのに対し、レジオランダムPOPTでは0.4 S/cmになる。PAT類は、“結晶性、柔軟性そして金属光沢のブロンズ色”の外見の活性亜鉛を使って合成される。一方、類似する位置無作為性ポリマー類は“非結晶質で橙色のフィルム”で合成される。活性PAT類のサーモクロミック特性の比較では、部分規則性ポリマーは強いサーモクロミック効果が見られたが、位置不規則性ポリマーの分光吸光度は高い温度で大きく変化しなかった。これはおそらく局部的な構造欠陥が原因である[要出典]。最後に、スーとホールドクロフトは、HH対の含有量の増加とともにだんだん小さい波長(より大きいエネルギー)で生じるポリ(3-ヘキシルチオフェン)類の蛍光吸収と発光極大を実例で示した。吸収と発光極大との間の差異は、HH対の含有量とともに増加するが、これは最初の励起状態による立体配座の歪みが原因であると考えられる。
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