ラングランズプログラムの中の役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/17 22:54 UTC 版)
「志村多様体」の記事における「ラングランズプログラムの中の役割」の解説
志村多様体はラングランズ・プログラムの中で際立った役割を果たす。典型的な定理として、アイヒラー・志村の合同関係式があり、これはモジュラー曲線のハッセ・ヴェイユのゼータ函数が、明示的にあたえられるウェイト 2 のモジュラ形式のL-函数の積であることを意味している。実際、この定理の一般化の過程で、志村五郎はこの多様体を導入し、彼の相反法則を証明した。他の数体上の群 GL2およびその内部形式(つまり四元数の乗法群)からさだまる志村多様体のゼータ函数は、アイヒラー(Eichler)、志村、久賀、伊原により研究された。彼らの結果を基礎として、ロバート・ラングランズ(Robert Langlands)は次の予想を立てた。ある数体上に定義された任意の代数多様体 W のハッセ・ヴェイユのゼータ函数は、保型形式のL-函数の積となるのではないだろうか、すなわち、保型表現の集まりから発生するはずである。しかし、このタイプの記述は哲学的な性質であるが、W が志村多様体のときは証明されている。 ラングランズのことばから引用する。 「 志村多様体に付随する全てのL-函数が - 従って、志村多様体によって定義されたモチーフが、- [彼の1970年の論文の意味での]保型形式のL-函数で表現可能であるということは、全てのモチーフのL-函数が保型形式のL-函数であるということを示すことに比べ、格段に弱い。しかも、より強い命題は、そこでは、有効であると期待されているにもかかわらず、今まで私の知る限り、全てのモチーフのL-函数が志村多様体にひもづけられていると期待する理由は見当たらない。 」
※この「ラングランズプログラムの中の役割」の解説は、「志村多様体」の解説の一部です。
「ラングランズプログラムの中の役割」を含む「志村多様体」の記事については、「志村多様体」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書からラングランズプログラムの中の役割を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- ラングランズプログラムの中の役割のページへのリンク