モノエタノールアミン(MEA)の利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 07:11 UTC 版)
「エタノールアミン」の記事における「モノエタノールアミン(MEA)の利用」の解説
「en:carbon dioxide scrubber」も参照 MEAはさまざまな酸性ガスの吸着剤として水溶液が利用される。あるいは界面活性剤、乳化剤、磨き粉、医薬品原料、防食剤、化成品としても利用される。また薬剤学的にはMEAは緩衝剤や乳化剤として原体のまま利用される。 MEA水溶液は都市ガスの吸着アミンとしてガス洗浄に利用される。例えば、排ガスから二酸化炭素(CO2)を除去するのにMEA水溶液が利用される。水溶液は混合ガスから特定の成分を抽出するのにも利用される。すなわち、酸性成分は中和によりイオン化することで水溶液に溶解する。低温のMEA水溶液は極性物質であり、非常に安定である。そのため、混合ガスをガス洗浄して酸性ガスを除去するのに利用される。スクラバ装置(ガス洗浄装置)では大きな表面積でMEA水溶液と混合ガスとを接触させ、硫化水素(H2S)や二酸化炭素(CO2)のような酸成分を選択的に除去する。すなわち、MEA水溶液のようなアルカリ水溶液を使えば中和されて、H2Sは硫化水素イオン(HS-)として、二酸化炭素は炭酸水素イオン(HCO3-)として水溶液中に存在する。 H2S や CO2は弱酸性のガスなので水酸化ナトリウム (NaOH)のような強アルカリ水溶液では一度吸着したガスを放出することができない。しかし、MEAは弱塩基なので洗浄液を加熱することでH2S や CO2を再放出することができる。それ故、MEA洗浄液は再生装置にかけることでリサイクルされる。すなわち、MEA洗浄液を加熱すると弱酸性ガスのみが遊離型になり放出されてMEA溶液は純度を復元し、スクラバ装置に戻され再利用される。
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