モザンビーク共和国洪水災害国際緊急援助隊派遣介入事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 05:04 UTC 版)
「鈴木宗男事件」の記事における「モザンビーク共和国洪水災害国際緊急援助隊派遣介入事件」の解説
2000年3月にモザンビーク共和国で発生した洪水災害に関する国際緊急援助隊の派遣について、外務省職員が職務権限はないが、アフリカ外交に大きな影響力を持ち外務省にとっても予算獲得等で大きな存在だった鈴木宗男に了承を得ようと派遣前日に報告した際、鈴木は「自分がアフリカ外交に熱意を持っているのに、前日の報告とは何事だ! 俺は聞いてない!」と怒鳴られて了承が得られず、国際緊急援助隊の派遣に影響を与えた。鈴木議員のこの言葉によって実質1週間の遅れを来たし、その間にモザンビークの被災者が7人が亡くなった。 この問題において、鈴木が証人喚問において「モザンビーク共和国への国際緊急援助隊の派遣や洪水災害について、私が反対するだとか、私がどうのこうの言うということは考えられない」と証言したことが偽証として、議院証言法違反で起訴された。鈴木宗男自身が起訴された事件の中では唯一の外務省絡みの案件であった。 検察は派遣予定だった医師、JICA職員、外務省アフリカ第2課長、外務省国際緊急援助室長(いずれも当時の肩書き)の証言から、鈴木が国際緊急援助隊派遣に中止要請をした事実を提示した。また、鈴木を擁護している元外交官の佐藤優は「永田町言語での『俺は聞いていない』は日常言語での『俺に事前に相談していないので、絶対に認めない』という意味である」としている。鈴木は裁判で国際緊急援助隊の派遣は外務大臣に法的権限があるが自分は職務権限がないため関与しておらず、また一般的な政治信条としてモザンビークを支援していると証言しただけと無罪を主張した。裁判所は「私が反対するだとかどうのこうの言うということは考えられない」と証言したのは派遣に反対したことを否定した趣旨であることは明らかであり偽証であるとして有罪とした。
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