ミルク神
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 07:49 UTC 版)
沖縄県の沖縄本島及び周辺離島や八重山列島では「ミルク」と呼ばれる神の信仰が盛んである。これは、東アジアから東南アジアにかけて分布する弥勒信仰がニライカナイ信仰と融合したものとするのが定説である。これらの地域では、豊年祭等の祭りに、笑顔のミルク面をつけたミルク神が登場し歩き回る。ミルク面は布袋に似た姿をしているが、これは布袋を弥勒菩薩の化身とする東アジアや東南アジアの弥勒信仰の影響であると考えられている。ミルク神は年に一度(12年に一度等の地域もある)集落を来訪する来訪神である。 起源については、約300年前に首里殿内から「たい国」(通説では中国)に派遣された求道長老が弥勒の掛け軸を持ち帰り、毎年7月に祭を行ったとされ、1816年の「三司官伊江朝睦日日記」には首里赤田町(現在の那覇市首里地区)のミルクウンケー(弥勅御迎)の記録が残っている。また、八重山列島の石垣市登野城に伝わるミルク面は、1791年に首里から八重山への帰途に遭難し安南(現在のベトナム)に漂着した黒島首里大屋子職大浜用倫が持ち帰ったものとされる。
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