ミルウォーキー警察の失態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 07:32 UTC 版)
「ジェフリー・ダーマー」の記事における「ミルウォーキー警察の失態」の解説
ジェフリーの事件でとりわけ悲劇的だったのは、犠牲者の一人、14歳のラオス人少年のケースである。この少年の兄は、1988年にジェフリーに性的暴行を加えられた被害者だったのだ。この事実に加え、さらに、みすみす少年をジェフリーの手に返した3人の警官が、先刻解決したつもりでいたゲイ同士の痴話喧嘩を笑い話のネタにしたのだが、たまたまテープレコーダーのスイッチがオンになっていたため、会話がしっかりと録音されていた。ジェフリーがラオス人少年殺害を自供後、このテープが外部に流出し、ラジオとテレビで放送され、ミルウォーキー警察は米国中から非難されることとなった。その後、この3人の警官に対し、職務怠慢のかどにつき懲戒免職処分が発表されたが、警察に対する怒りは収まらず、ミルウォーキー警察本部長フィリップ・アレオは世論からの全方位からの集中砲火にさらされたあげく、警察組合から部下を守らなかったとして不信任案を議決された。ミルウォーキーの黒人やアジア系住民からは、警官たちは明らかに白人のジェフリーの方を信用し、有色人種の少年の方を無視したと見なされた。ジェフリーの事件で、ミルウォーキーの人種間緊張が高まった。8月にはミルウォーキー市内で一連の事件の犠牲者の追悼集会が開かれ、その際、怒りで興奮した群衆による暴動が懸念されたが、ジェシー・ジャクソン師ら黒人運動指導者の働きかけにより、これは回避された。
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