ボルドーの事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/12 01:43 UTC 版)
フランスのボルドーではVAL方式による地下鉄(メトロ)の建設が決まりかけていたが、1990年代に路面電車(トラム)に変更された。その際ガロンヌ川左岸の歴史地区(2007年「月の港ボルドー」として世界遺産指定)の景観を守るため架線のないイノレール式APSが採用され、2003年12月21日に運行を開始した。車両はアルストムのシタディス(Citadis)をAPS対応にしたものが用いられている。 ボルドーでは特に景観への配慮の必要な歴史地区やガロンヌ川の橋上などでAPS方式が使用されているが、郊外では架線集電となる。ただし郊外でも乗務員の訓練用や消防自動車の出動を妨げないため、また地域のシンボルとして短区間のAPS集電区間がある。APSシステムの設置には通常の架線に比べおよそ3倍の費用が必要になるが、建設費全体ではAPS採用によるコストの上昇は5%程度であった。 開業直後には絶縁不良やブレーカーの誤作動などによる故障が多発し、特に雨の日には運行率が著しく下がった。しかし制御箱の改良などにより徐々に改善され、2007年ごろには年あたりの運休時間が10時間程度にまで減少している。 ガロンヌ川の橋を渡るトラム 郊外では架線集電となる 絶縁区間(中央)と給電区間 建設中の軌道 制御箱 APSと架線集電の切り替え地点
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