ベトナム戦争中の伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 00:12 UTC 版)
「グエン・トーン」の記事における「ベトナム戦争中の伝説」の解説
「トーン大佐」の名が語られ始めたのはベトナム戦争後期になってからである。ベトナム上空の航空戦にて、アメリカ空海軍のパイロットはしばしば所属番号3020番のMiG-17戦闘機と所属番号4326番のMiG-21戦闘機を目撃したという。これらの機の先端には撃墜マークと思しき赤星のマークが13個あった。さらに、戦闘後にアメリカ軍が傍受した北ベトナム空軍側の通信でしばしば「トーン」(Toon/Tomb)の名が現れたことから、「13機撃墜のエースパイロットたるトーン氏」の存在が語られはじめたのである。 1967年から1972年にかけて、「トーン氏」はアメリカ軍パイロットらの間で一種の伝説と化していた。噂には尾ひれが付き、例えばフォーン(phong)なる名でも語られたほか、階級は大佐であるとか、苗字はグエン(Nguyen)であるなど出処のわからない情報が継ぎ接ぎされていった。いくつかの文書では、彼の名を「グエン・トゥアン」(Nguyễn Tuân)としている。これらの噂はアメリカ軍パイロットの心理状態に少なからず影響を与え、何人かは爆撃後の帰投を急いだり、MiGを目撃すると戦闘を回避するようになったという。 1972年5月10日、カニンガムとドリスコルのF-4戦闘機が3020号機を撃墜した。これが「トーン大佐」の最期とされていた。
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