ベトナム戦争と軍用犬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 15:06 UTC 版)
「ラブラドール・レトリバー」の記事における「ベトナム戦争と軍用犬」の解説
アメリカの歴史上、「軍用作業犬 (military working dogs )」として使役された軍用犬で、戦闘を生き延びた犬が一頭もアメリカ本国に帰還しなかったという公式記録を持つのはベトナム戦争だけである。軍事消耗品に分類されたおよそ4,000頭の軍用犬がベトナム戦争に投入され、ベトナム戦争を生き延びたわずか200頭の軍用犬は本国へ送還されることなく、そのまま別の国の軍事基地に配備し直されたといわれている。 ベトナム戦争時にアメリカ軍の軍用犬としてもっとも多く採用されたのはジャーマン・シェパードで、偵察、見張り、地雷探知などの役割で使役されており、アメリカ海軍では水中から侵入してくる敵兵の発見にも用いられていた。ラブラドール・レトリバーは「戦闘追跡部隊 (CTTs)」の軍用犬として採用された。戦闘追跡部隊は通常、指揮官、ハンドラー(犬の調教担当)、観測担当、護衛担当の4名と1頭のラブラドール・レトリバーで構成されていた。ラブラドール・レトリバーはその優れた嗅覚による追跡能力で軍用犬に採用されており、敵偵察兵、負傷したアメリカ軍人、撃墜された同盟国パイロットの発見などに使役された。この戦争でアメリカ軍が採用したラブラドール・レトリバーは、マレーシアにあったイギリス軍のジャングル戦軍事校 (Jungle Warfare School ) で軍用犬の訓練を受けた犬だった。。 2000年11月に当時のアメリカ大統領ビル・クリントンが、軍用犬を引退した犬が軍事以外の目的で引き取られることを認める修正法案に署名したことから、今後もベトナム戦争が唯一の、アメリカ本国に軍用犬が帰還しなかった戦争になるものと考えられている。
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