ベクトル解析の誕生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 15:38 UTC 版)
「ベクトル解析 (著書)」の記事における「ベクトル解析の誕生」の解説
ギブスはベクトルの概要を85頁の小冊子に纏め上げ、彼の学生に配布し、1888年、ヘヴィサイドにも送った。1892年、ヘヴィサイドは王立協会の会報「Transactions of the Royal Society」に彼自身が定式化したベクトルの理論を送り、ギブスのこの小冊子を賞賛した。しかし彼は「この小冊子は要約されすぎている」と後に書き残している。 イェール大学大学創立200周年記念の1901年に「知の進歩」として優れた出版物がショーケースに展示された。ギブスが著した統計力学の基本原理(英語版)(Elementary Principles in Statistical Mechanics)もその中に含まれていた。この展示本の選定に関わったモリス(Morris)教授はギブスのベクトル解析の講義録も推薦したものの、結局統計力学の教科書だけが展示されることとなった。 ウィルソンはこのときイェール大学の数学専攻の院生であった。彼は既にハーバード大学のジェームズ・ミルズ・ピアス(James Mills Peirce)から四元数について習っていた。しかしディーン・A・フィリップス(Dean A. W. Phillips)はウィルソンにギブスのベクトルの講義を取るように勧め、そして四元数とベクトルが実は類似の概念を別の言葉で表している事に過ぎないことを見いだした。ウィルソンがギブスの講義を履修し終わると、モリスはウィルソンにその講義を元に教科書を作る計画を持ちかけた。彼は講義ノートを元に内容を補足したり、演習問題を作ったり、他人(父親など)に相談しながら本を完成させた。
※この「ベクトル解析の誕生」の解説は、「ベクトル解析 (著書)」の解説の一部です。
「ベクトル解析の誕生」を含む「ベクトル解析 (著書)」の記事については、「ベクトル解析 (著書)」の概要を参照ください。
- ベクトル解析の誕生のページへのリンク