ヘマトキシリン
ヘマトキシリン
ヘマトキシリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/21 09:09 UTC 版)
ヘマトキシリン | |
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7,11b-dihydroindeno[2,1-c]chromene-3,4,6a,9,10(6H)-pentol |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 517-28-2 |
PubChem | 10603 |
MeSH | Hematoxylin |
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特性 | |
化学式 | C16H14O6 |
モル質量 | 302.28 g mol−1 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ヘマトキシリン(英: Haematoxylin、カラーインデックス名:Natural Black 1, C.I. 75290)は、アカミノキの心材から抽出される染料である。酸化によりヘマテインとなり、Al(III)やFe(III) と錯塩を形成して強く青に発色する。媒染剤により色調が異なり、アルミニウムの場合には青白色、鉄の場合には青黒色となる。

組織染色

顕微鏡下で組織切片を観察するための染色法として、エオシンと共に用いるヘマトキシリン・エオシン染色がよく使われている。この場合、ヘマトキシリンは主に細胞核を強く染色する。
ほかにリンタングステン酸・ヘマトキシリン染色も比較的よく使われている。
供給難
ヘマトキシリンの生産はほぼ完全にアカミノキの栽培に依存しているため、 時折供給不足がおきることがあり、1920年代後半や1970年代前半には深刻な供給難に陥った。 最近では2008年前半に診断コストに影響するほど色素の価格が高騰したが、 依然として病理検査で使われている。 代替色素としてはセレスチンブルー(CI 51050)、ガロシアニン(CI 51030)、ガレイン(CI 45445)、エリオクロムシアニンR(CI 43820)などが挙げられており、これらはいずれもFe(III)を媒染剤としている。 [1]
参考文献
- ^ Dapson et al. (2010). “Hematoxylin shortages: their causes and duration, and other dyes that can replace hemalum in routine hematoxylin and eosin staining”. Biotech Histochem 85 (1): 55-63. doi:10.3109/10520290903048400.
ヘマトキシリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:31 UTC 版)
ヘマトキシリン(英語:haematoxylin [英], hematoxylin [米])は核を青紫または茶色に染色し、媒染剤(英語:mordant)が必要である。組織学で共通して使われる方法の一つであるヘマトキシリン・エオシン染色においてエオシンと共にいつも使用される。ヘマトキシリン色素で核を静紫色に、エオシン色素で細胞質を赤黄色に染色することで、ホルマリン固定パラフィン包埋された組織の薄切標本を染色する方法が、全世界的に普及している。 光学顕微鏡(英語:light microscope)を用いた組織学的研究や、病理診断などで最も一般的に用いられている染色法であり、染色法の頭文字をとってHE染色(エイチ・イー染色)とも略称される。またヘマトキシリン染色は免疫組織化学(同義語:免疫染色)を行った後の核染色(対比染色とほぼ同意)にも広く用いられる。
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