ヘキサフルオロシクロトリホスファゼン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/22 15:26 UTC 版)
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| 識別情報 | |
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3D model (JSmol)
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| ChemSpider | |
| ECHA InfoCard | 100.150.019 |
| EC番号 |
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PubChem CID
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CompTox Dashboard (EPA)
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| 性質 | |
| F6N3P3 | |
| モル質量 | 248.933 g·mol−1 |
| 外観 | 白色ないしごく薄い黄色の結晶または塊 |
| 融点 | 27 °C (81 °F; 300 K) |
| 沸点 | 51 °C (124 °F; 324 K) |
| 有機溶媒への溶解度 | トルエンに可溶 |
| 構造 | |
| 平面 P 3N 3 環状 |
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| 0 D | |
| 危険性 | |
| 労働安全衛生 (OHS/OSH): | |
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主な危険性
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腐食性 |
| GHS表示: | |
| Danger | |
| H314 | |
| P260, P264, P280, P301+P330+P331, P303+P361+P353, P304+P340+P310, P305+P351+P338+P310, P363, P405, P501 | |
| 関連する物質 | |
| 関連するハロゲン化環状ホスファゼン | ヘキサクロロシクロトリホスファゼン ヘキサブロモシクロトリホスファゼン |
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特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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ヘキサフルオロシクロトリホスファゼン(英: Hexafluorocyclotriphosphazene)は、化学式(NPF2)3で表される、リンと窒素とフッ素からなる無機化合物である。
構造
リンと窒素からなる六員環のうちのリン原子に、フッ素原子が二つずつ結合した構造である。
合成
五塩化リン PCl5 と塩化アンモニウム NH4Cl から合成した三量体のヘキサクロロシクロトリホスファゼン (NPCl2)3 の塩素をフッ素に置換することで製造される。
アセトニトリルの存在下で、(NPCl2)3 とフッ化カリウム KF を80℃で2時間加熱することで得られる[2]。この他、ニトロベンゼン中でフッ化硫酸カリウム KSO3F と(NPCl2)3 を反応させる方法、オートクレーブ中でフッ化カリウムと硫酸 SO2 の混合物と(NPCl2)3を長時間反応させる方法、フッ化鉛 PbF2 、フッ化ナトリウム NaF 、フッ化銀(I) AgF をフッ素化剤としてニトロベンゼンあるいは水の存在下で反応させる方法、トリフルオロメタンスルホン酸カリウム CF3SO3K と窒化リン P3N5 を700℃で反応させることによっても合成することができる。三フッ化リン PF3あるいは五フッ化リン PF5とアンモニア NH3やフッ化アンモニウム NH4Fとの反応で直接合成することはできない[3]。
用途
歯科用フッ素徐放性コンポジット[4]など、機能性環状オルガノホスファゼンの中間原料となる。
脚注
参考文献
- 梶原鳴雪『ホスファゼン科学の基礎(普及版)』シーエムシー出版、2002年3月27日。ISBN 978-4-88231-755-5。
- 梶原鳴雪「ホスファゼン化合物の用途開発, 新展開及び将来展望」(PDF)『CREATIVE』第10巻、日本化学工業、2011年、2019年5月10日閲覧。
- ヘキサフルオロシクロトリホスファゼンのページへのリンク
