フグ毒と毒化に関する研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 04:37 UTC 版)
「テトロドトキシン」の記事における「フグ毒と毒化に関する研究」の解説
季節により毒の量が変わり、種によって毒化する部位が異なる。餌の種類を変えて養殖すると、同じ種であってもフグ毒が少なかったり、全くない場合がある。 無毒の養殖フグの群れの中に、毒を持つ天然種を放流すると無毒の群れも毒性を帯びることもある。TTX生産菌のVibrio alginolyticus(英語版) がクサフグの消化管内に生息しているが、腸内細菌の一つとして生息している可能性がある。フグは、TTXを含む餌を好んで摂食していることから、フェロモン的な作用も持っているとも考えられる。TTX耐性の低い種は積極的にTTXを排出している。 石川県名産の河豚の卵巣の糠漬けの毒素分解の仕組みは未だ不明である。フグ卵巣糠漬では、食用可能な状態にまで減毒している理由として、古くから塩漬・糠漬中に卵巣から毒が桶に拡散するためと説明されているものの、何がどのように作用するかの解明には至っていない。糠漬け1年後には総毒量が10分の1ほどに減少しており、東京海洋大学は微生物の関与を調査したが、微生物のフグ毒の毒力減少への関与は認められていない。フグ毒については未だ解明されていない部分が多いのが実情である。
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