フェニキアの場合の儀式性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/10 09:04 UTC 版)
「リュトン」の記事における「フェニキアの場合の儀式性」の解説
"Lady of Galera"というスペインで発見されたフェニキアで製造されたと考えられている儀式性の高かった時代のリュトンの前身と思われる彫像がある。 古代の時代に、フェニキアは交易都市として栄えており、各国でフェニキア由来の品々が見つかる。古代都市フェニキアでは、豊穣の女神アスタルテが祀られており、この儀式の時に用いられたと思われる彫像で、彫像は、豊穣の女神アスタルテの姿をしており、2頭のスフィンクスを両脇に従える。この彫像を通した液体には神聖な力が宿ると考えられていた。 古代ギリシャのアリストパネースの残した言葉に、「ワインは、アフロディーテのミルクである。」とあるのは、おそらく、当時、交易のあったフェニキアでの豊穣の女神アスタルテは、後にアフロディーテと同一視されるようになるので、こういった儀式の道具や当時の行事ごとからの発想によるものと思われる。 儀式性の高いリュトンの内、フェニキア以外の国のほとんどの物は、各地域における聖獣などの守護神の動物の形を模している事がほとんどだが、フェニキアのように女神像型の物は珍しい。 また、同じ国でも、儀式ごとによって、使われるリュトンの種類や、その儀式の意味合いは異なっていたと思われる。
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