ピロリ菌(ぴろりきん)
ピロリ菌は細菌の一種で、人間の胃の粘膜に住みつく。胃の内部では、ピロリ菌は胃酸にさらされるが、これに対し、アルカリ性のアンモニアを作って反応する。ところがこのアンモニアは、人体の胃にとっては有害な物質である。
結果、ピロリ菌に感染すると、胃粘膜が傷つけられる。このため胃炎を引きおこしたり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のような病気になったりする。
このときの症状としては、胃や背中などに慢性的な痛みが現れる。特に空腹時に胃が痛くなるのが特徴である。
実際、胃潰瘍患者の胃を調べてきると、その多くの場合、ピロリ菌が棲みついている。しかもピロリ菌が原因で胃潰瘍になっている人の場合、胃潰瘍はいったん直っても、また数年で再発してしまう。
ただピロリ菌については個人差があり、菌をもっている人がかならずしも胃潰瘍になるとは限りない。世界中の2人に1人ぐらいがピロリ菌に感染しているが、このうち潰瘍の症状が出るのはその10-20%だということである。
この菌は抗生物質を服用により、除菌が可能だ。しかも、除菌後、潰瘍の再発率が非常に低くなる。潰瘍の患者にとっては、除菌は「病気根絶」の決定打ともいえるわけである。
(2000.10.07更新)
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