ヒドロン・プロトンとヒドロニウムイオン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 04:19 UTC 版)
「水素」の記事における「ヒドロン・プロトンとヒドロニウムイオン」の解説
H+であれ D+であれ、ヒドロンは電子殻を持たないむき出しの原子核であるため、化学的にはファンデルワールス半径を持たない正の点電荷のように振る舞う。それゆえ通常は単独で存在せず、溶媒などほかの分子の電子殻と結合したヒドロニウムイオン(hydronium ion)として存在する。水素のイオン化エネルギーは1131 kJ/mol、遊離状態の水素イオンの水和エネルギーは1091 kJ/molと見積もられており、これは高い電子密度に起因する、水分子との高い親和力を示すものである。 H + ( g ) ⟶ r m H + ( a q ) {\displaystyle {\rm {{H}^{+}(g)\longrightarrow rm{H}^{+}(aq)}}} 極性溶媒中では、水、アルコール、エーテルなどの酸素原子の電子殻と結合している場合が多いため、ヒドロニウムイオンと言う代わりにオキソニウムイオン(oxonium ion)と呼ばれることも多い。あるいは超強酸など極限状態においては単独で挙動するプロトンも観測されている。 また、アレニウスの定義ではヒドロンは酸の本体である。酸としてのプロトンの性質は記事オキソニウム、あるいは記事酸と塩基に詳しい。
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